大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

神戸地方裁判所 昭和49年(わ)71号 判決 1974年6月21日

法人の本店

兵庫県飾磨郡家島町真浦四二四番地の一

法人の商号

北浦建材株式会社

代表者の住所

兵庫県高砂市伊保町中島宇島三五七番地の一

代表者の氏名

北浦一男

本籍

兵庫県飾磨郡家島町真浦四二四番地の一

住居

兵庫県高砂市伊保町中島宇島三五七番地の一

会社役員

北浦一男

大正一五年七月三〇日生

右両名に対する法人税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官鶴田政純出席のうえ審理して、次のとおり判決する。

主文

被告人北浦建材株式会社を罰金五〇〇万円に処する。

被告人北浦一男を懲役六月に処する。

この裁判確定の日から三年間被告人北浦一男の右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社北浦建材株式会社は、兵庫県飾磨郡家島町真浦四二四番地の一に本店を置き、主たる事業所を同県高砂市伊保町中島宇島三五七番地の一に置いて砂利採取販売を主たる目的とするもの、被告人北浦一男は被告会社の代表取締役としてその業務全般を統轄しているものであるが、被告人北浦一男は被告会社の業務に関し、その法人税を免れようと企て、

第一  昭和四五年八月一日から同四六年七月三一日までの事業年度における実際の所得金額は五、〇二九万二、四三一円で、これに対する法人税額は一、八一九万四、五〇〇円であるのにかかわらず、架空仕入れを計上するなどして得た資金を架空名義の預金とするなどの不正の方法により所得の一部を秘匿したうえ、同年九月三〇日、所轄姫路西税務署において、同署長に対し、所得金額が一、三七五万一、八八一円、これに対する法人税額が四七六万五、六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、同事業年度の法人税一、三四二万八、九〇〇円を免れ、

第二  同四六年八月一日から同四七年七月三一日までの事業年度における実際の所得金額は、六、六八八万九、三五九円、これに対する法人税額は二、四二六万八、八〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正手段を講じたうえ、同年九月三〇日所轄姫路税務署において、同署長に対し、所得金額が一、三二一万五、五四八円、これに対する法人税額が四五四万三、六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、同事業年度の法人税一、九七二万五、二〇〇円を免れ、

たものである。

(証拠の標目)

判示事実すべてにつき

一、被告人北浦一男の当公判廷における供述

一、同人の検察官に対する供述調書(二通)

一、同人の質問てん末書(四通)

一、北浦せいの検察官に対する供述調書

一、同人の確認書(二通)

一、同人の質問てん末書(一六通)

一、大蔵事務官作成の査察官調査書五通(昭和四八年八月二日付、同月三日付、九月一日付、六月二〇日付、七月一四日付)

一、田野登志夫、田浦家彰、中西守、北畑隆一、および柴田修の各回答書

一、佐古井滝三郎、滝さわ、滝八郎、吉田幸司、および三木一男の各確認書

一、川畑秀則(二通)、福山よし子、井村昭美、福山和子、および水野照治の各質問てん末書

一、法人登記簿謄本

一、領置してある領収証一綴(昭和四九年押第八一号の二一)、請求書一綴(同号の二二)、手形受払帳一冊(同号の二三)、証ひよう書類六綴(同号の二六の1ないし6)、代金取立手形通帳四冊(同号の三二)、請求書等雑書(同号の三四)、金銭出納帳六冊(同号の三六)、計算書一綴(同号の三七)、決算申告控一綴(同号の三八)、源泉徴収簿一綴(同号の三九)、北浦建材請求書一綴(同号の四〇)、領収書一綴(同号の四一)、仕入帳一綴(同号の四二)、請求書領収証一綴(同号の四三)、および運転日誌七綴(同号の四四)

判示第一の事実につき

一、大蔵事務官作成の法人税確定申告書謄本(証拠目録(一)の4)および脱税額計算書(同(一)の6)、および査察官調査書(同年八月一〇日付)

一、楠千鶴代および三宅邦雄の各確認書

一、領置してある総勘定元帳一綴(昭和四九年押第八一号の一)、売上帳一綴(同号の三)、売上・仕入帳一綴(同号の五)、仕入帳一綴(同号の六)、金銭銀行帳一綴(同号の一一)、諸表一綴(同号の一二)、手形支払帳一冊(同号の一三)、伝票五綴(同号の一五)、領収書一二綴(同号の一七)、請求書・納品書・領収書一綴(同号の一九)、所得税徴収簿一綴(同号の二〇)、船員給料帳一綴(同号の二五)、および金銭出納帳一一冊(同号の三五)

判示第二の事実につき

一、大蔵事務官作成の法人税確定申告書謄本(証拠目録(一)の5)および脱税額計算書(同(一)の七)

一、桝岡利雄、第一工業株式会社、東城自動車工業株式会社、西田建設株式会社、丸山吉 株式会社、前川建設株式会社、および瀬戸内砂利株式会社の各回答書

一、船津欣次、浜野勝、および堀尾常一の確認書

一、領置してある総勘定元帳一綴(昭和四九年押第八一号の二)、売上帳一綴(同号の四)、仕入帳一綴(同号の七)、営業日報一綴(同号の八)、配船帳一冊(同号の九)、個人買納品書控一綴(同号の一〇)、諸表一綴(同号の一四)、伝票四綴(同号の一六)、領収書一二綴(同号の一八)、船員給料帳一綴(同号の二四)、メモ二枚(同号の三一)、仕入帳一綴(同号の三三)、および請求書等雑書(同号の三四)

(法令の適用)

被告人北浦建材株式会社の判示所為はいずれも法人税法一六四条一項、一五九条に、被告人北浦一男の判示所為はいずれも同法一五九条に、それぞれ該当するところ、被告人北浦一男については所定刑中いずれも懲役刑を選択し、両被告人の判示所為はいずれも刑法四五条前段の併合罪であるから、被告人北浦建材株式会社については、同法四八条二項により各罪に定めた罰金額の合算額の範囲内により、罰金五〇〇万円に処し、被告人北浦一男については、同法四七条本文により犯情の重い判示第二の罪に決定の加重をした刑期の範囲内で懲役六月に処し、なお同人については情状により同法二五条一項により、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 政清光博)

右は謄本である。

昭和四九年七月五日

同庁

裁判所書記官 沼田輝雄

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例